「チラシのデザイン代っていくら?」ってよく聞かれます。
会社案内とかWEBサイトとかでも聞かれます。
正直本音は「わかんねぇっす」と答えたいのですが、そうもいかないのでぐっとこらえて、
「これこれこういう感じの仕様なら○○円くらいですかね」とか
「前回似たような会社さんの会社案内を○○円で作りました」とか答えます。
本当は詳しく話を聞かないとデザイン代の見積もりはできません。
自分のために特注する靴を打ち合わせする前に「いくら?」と聞いているのと同じ感じです。
まだサイズさえもわからなければ、お客様の必要としているシチュエーションや好み、使う素材や色も決まっていません。
しかし、お客様が先にデザイン代を聞きたがる気持ちもわかります。

お客様の不安

デザイン代というのは、デザインするという行為と成果物に対しての対価ですが、その価格が適正であるかどうか、お客様が不安になるのも仕方ありません。
お客様のほとんどはデザイナーとの協業経験は少ないですし、美術系の勉強はほとんどしてこなかった方が普通です。
なので、そのデザインの行為がどれくらい手間のかかるものなのか、出来上がった成果物が目的に合った表現がされているかがわかりません。お客様はデザイナーがどうやって見積もりしているのかもわかりません。

どうしたら不安は解消できるか?

とにかく制作物案件の経験を積むことで、価格の目安をある程度つかむことができるようになってきます。
しかし、通常の会社の業務の中でデザイナーとの協業はそうそうあるものではありません。
一番理想的な手段は、いいデザイナーと巡り合ったら付き合い続けることです。
デザイナーの探す方法はこの記事を参考にしてください。

デザイナー探しにはココ! 東京デザイナー情報

デザイナーと付き合い続けることで二つのメリットが生まれます。

一つ目は、デザインの一貫性です。
デザインの仕事というのは同じ材料と同じ課題であってもデザイナーが10人いれば10通りのデザインが生まれます。
それぞれに個性があるので、その個性を使い続けることでテイストが一貫します。
そのことが会社のブランディングにも寄与します。
二つ目は、信頼関係の構築です。
協業を続けていく中で信頼感を醸成することができれば、より一層デザイナーは御社のことを理解して、よりよいデザインを提案してくれることになり、協業の質が向上します。

価格の問題にしないこと

上記のように
「気に入ったデザインはそのデザイナーから生まれない」
「付き合い続けることでデザインの質も向上する」
ということが理解できると、そのデザインは世界に二つとないものということが必然理解できると思います。
となると、価格は二の次ですよね。もちろん自社の予算もあるでしょうから、予算オーバーの時は正直にデザイナーに相談するしかありません。
しかし、いつも「安く安く!」と言ってしまうとデザイナーは買いたたかれていると思ってしまい、創作意欲も萎えてきます。
一度安くしてもらったら次にはデザイナーの希望する価格に応えてあげることが大事かと思います。

一番の目的は何か

デザインを必要とした最初の気持ちを忘れないことだと思います。
一番の目的は自社の課題を解決してくれるデザインを提供してもらうことであり、安くデザインを調達することではないということを忘れないようにしましょう。